自動車のサブスクリプションは、購入やリースに代わる選択肢として注目されています。
しかし、車のサブスクリプションサービスは、契約前に注意すべきリスクや落とし穴が存在するのです。
このように車のサブスクサービスには、契約する前に注意すべき点がいくつもあります。
この記事では、車のサブスクリプションに関連するリスクと注意点、向いている人の特徴などを解説します。
購入方法で悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
【車のサブスクで起こりうるトラブル|リスクと注意点を解説】
車のサブスクサービスを利用した方の中には、以下のようなトラブルに見舞われた方がいらっしゃいます。
- 審査に通らなかった
- 月々1万円だと思ったらボーナス月払いが高額だった
- さまざまな制限が理由で起こる家族間トラブル
- 返却時に残価を請求された
- 走行距離の超過料金を請求された
- 返却時の車の状態が悪く想定外の残価差額を請求された
- 契約期間の途中での解約ができなかった
- 事故で強制解約になり、違約金を請求された
もしかするとあなたも今後このようなトラブルに遭ってしまう可能性があります。こうしたトラブルの原因とリスク回避方法を解説します。
・審査に通らなかった
車のサブスクリプションサービスに申し込むには、審査が必要です。審査に通らなかった場合、そもそもサービスを利用することができません。
審査に通らない理由としては、信用情報の問題や収入の不足などが挙げられます。
とは言え、車のサブスクリプションサービスの審査は一般的なカーローンよりも甘いと言われています。
「業者の仲介」や「お金の貸し借りではなく車の貸し借りなので担保が確保できる」といったことが理由です。
また、独自の審査基準を持っているところも多く、ノレルでは過去の信用情報を参考にしない審査により、特に審査に通りやすくなっています。
審査が不安な方はそうしたサービスを利用すると良いでしょう。
・月々1万円だと思ったらボーナス月払いが高額だった
車のサブスクリプションサービスでは、月々の支払い額が決まっています。中には月額1万円や5,000円と謳っているサービスもありますよね。
しかし、注意しなければならないのが、こうしたサービスの場合、ボーナス月の支払い額が高額になることがある点です。
月額費用を低く見せて集客するために、わざとボーナス払いへの言及を抑えている可能性があります。
私も月々5,000円ならセカンドカーを持ちたいと思っていましたが、よくよく調べると、ボーナス月(年2回)の支払額が20万円近くなっており、トータルで見ると全然安くなかったのです。
こうしたトラブルを避けるためには、事前に契約書をしっかりと確認し、支払い額について理解を深めることが必要です。
・さまざまな制限が理由で起こる家族間トラブル
カーサブスクリプションの最大の問題点の1つは、車を自由に使えないことです。
多くのカーサブスクリプションサービスでは、月に走行できる距離の制限があります。
これは申し込み時に設定でき、基本的には通勤距離などを考慮して決めることになるでしょう。
しかし、通勤・通学や子供の送迎、買い物やレジャーなど、日常生活で多くクルマを頼っている家庭にとっては、ストレスの原因になることも。
ちょっとした旅行に行く際に、車で行くか新幹線で行くかで揉めるのはイヤですよね。
また、サブスクサービスでは、過度の磨耗や破損、車内の汚れ、タバコやペットの臭いに対して追加料金が発生する場合があります。
自分が気をつけて乗っていても、子供がジュースをこぼしたり、配偶者がちょっとだけならという気持ちでタバコを吸うことも。
自分の車であれば気にせずに済むところを、必要以上に気にしないといけないのはストレスでしょう。
そうしたリスクも含めて、車のサブスクが自分達のユースケースに合っているかを見定める必要があります。
・返却時に残価を請求された
車のサブスクリプションのトラブルで多いものの1つが、返却時に請求される残価です。
残価とは、契約終了時の車両の見積もり価格です。この値は、サブスクリプションの契約時に設定され、残価を引いた額を月額料金として払っていきます。その仕組みがあるので、サブスクリプションの料金はお得になっているとも言えます。
しかし、車を返却する際、車の残価が当初設定していた額よりも下がっていた場合、追加料金を請求されることがあります。
この費用は相当な額になる可能性があり、しかも前もってわからないため、返却時に急な出費となる可能性も。それゆえ、特にトラブルになりやすいポイントでもあります。
しかし、最近は残価精算が不要なサービスも増えています。それらは「クローズドエンド方式」と呼ばれるので、ぜひ覚えておいてください。
残価によるトラブルを避けたい方は、「クローズドエンド方式」が取られているかどうかをしっかりとチェックするようにしましょう。
・走行距離の超過料金を請求された
多くのカーサブスクリプションサービスには走行距離の制限があり、その制限を超えた場合、超過料金を支払うことになる可能性があります。
Kintoでは、1km超過あたり11円(レクサス車は22円)と設定されており、契約期間中に1,000km超過した場合は11,000円を支払うことになります。
これを避けるには、車の定期購入に申し込む前に、年間の走行距離を正確に見積もることが重要です。
しかし、意外と自分が思っているよりも乗ることが多かったり、少なく見積りすぎたことが原因でストレスを抱える方も。
他の利用者の状況や適正距離を知るためにも、車のサブスクサービスの担当者に相談してから決めることをお勧めします。
また、走行距離制限のないプランや契約期間後にもらえるプランも。距離を気にせず乗りたい方はこうしたプランを選ぶことで、トラブルを回避できます。
・返却時の車の状態が悪く想定外の残価差額を請求された
サブスクサービスでは残価が設定されているため、車の価値を落とさないように心がける必要があります。
万が一、残価に影響を与えるような傷が入った場合、ボディをこすった程度でも5~10万円、大掛かりな板金塗装やエンジンのオーバーホールが必要になれば数十万円の費用が請求されることも。
しかし、多少の傷であればメンテナンスプランの範囲内で無償修理が可能ですし、そもしも残価精算が不要なプランにすれば支払いは発生しません。
残価によるトラブルを避けたい方は、「クローズドエンド方式」が取られているかどうかをしっかりとチェックするようにしましょう。
・契約期間の途中での解約ができなかった
一部のカーサブスクリプションサービスでは、契約期間の途中での解約を認めないという条項が契約書に記載されています。
中途解約の場合、違約金+残りの期間の料金を支払う必要があり、残りの期間によっては100万円以上の支払いを請求されてしまうのです。
しかも、解約金の支払いは一括払いのみ。分割で支払えるのでまとまった出費が不要な点がメリットで合ったにも関わらず、中途解約の場合はそれが適用されません。
中途解約でのトラブルを避けるには、まずは計画的な契約プランを選択することが重要です。また、解約金のかからないサービスを選択するなどの検討も視野に入れておきましょう。
>>【5選】中途解約金なしの車のサブスクサービスはある? 違約金不要のメリットとデメリットを解説
・事故で強制解約になり、違約金を請求された
事故に遭ってしまった場合、修理できる範囲であれば継続が可能です。しかし、全損で廃車にするしかない場合は途中解約と同じ扱いになってしまい、多額の違約金が発生する可能性があります。
この問題を避けるには、契約前に自動車定額使用サービスの保険規約を確認することが重要です。
その保険が何をカバーし、何をカバーしないかを理解するようにしましょう。
もし、事故が補償されない保険や、事故による解約に違約金がかかる保険であれば、より良い保険条件を提供する別のサブスクリプションサービスを探した方がよいでしょう。
【とは言え、車のサブスクにはメリットも多い】
こうしたトラブルが起こるリスクはあるものの、車のサブスクサービスには多くのメリットもあります。
【お金面のメリット】
- 急に車が必要になったときに貯金がなくても新車が買える
- 面倒な税金の支払いを代行してくれる
- 車検費用や定期点検、消耗品の交換もコミコミだから急な出費がかからない
- 任意保険込みのプランの場合、通常で契約するより割安になることも
- 法人や個人事業主は経費計上がしやすい
- 残価分を引いた値段だから購入するよりも安く済んでいる
【選択肢面のメリット】
- 頭金やボーナス払いがなくても最新の安全設備を搭載した新車に乗れる
- 購入と同じようにグレード・カラー・ディーラーオプションも選択可能
- サブスク限定の特別仕様車もあり
- 契約満了後に車が自分のものになるプランもある
- 価格が高くて乗るのを諦めていた車にも乗りやすい
- 契約期間は90日、3年、5年など、ライフステージの変化に合わせて車を変えやすい
- 新しい車に乗る時のワクワクを頻繁に味わえる
- 9年払い(108回)や11年払い(132回)など、ローンよりも長期間に分割して支払える
【安心面のメリット】
- 臨時の出費が不要なので家計管理で不安にならなくて済む
- ディーラーや提携整備工場が面倒を見てくれる
- 万が一故障してもメーカー保証がついているので安心
- ディーラーから営業をかけられて不要なオプションまでつけなくて済む
特に、頭金なしで車に乗れることや各種費用がコミコミになっていること、残価分を引いた金額だからお得なところは大きなメリットでしょう。
トラブルのリスクばかり気にしていてもいけませんし、やり方によっては回避することも十分可能です。
メリットとデメリットを天秤にかけて、自分に合うかどうかを見極めましょう。
【サブスクリプションサービスを選ぶ際のポイント】
サブスクリプションを検討する際には、以下のことがポイントになります。
初めて車のサブスクリプションを利用する方にとっては、疑問点も多いですよね。そのため、自分で考えるだけでなく、納得いくまで担当者と相談をすることが重要です。
予算と料金の兼ね合いや、条件、リスクとそれを回避するための方法について理解した上で納得できれば、トラブルが発生する可能性を抑えることができます。
また、そうした相談をする中でサブスクリプションサービスが信頼できるかどうかも見定めることが可能です。
万が一、利用中に起こった場合、信頼できるサービスでないと対応に不安を感じてしまいますよね。
車のサブスクリプションは買って終わりではなく、長期間に渡って関係性が続く性質があります。そのため、特に「信頼できるかどうか」を見定めてサービスを選ぶ必要があるでしょう。
わからないまま契約することは避けて、申し込み前にしっかりと問い合わせや相談をすることをおすすめします。
【サブスクリプションでの自動車購入が向いているかどうかを確認しよう】
私自身も念入りに車のサブスクリプションサービスを検討した結果、向いている人と向いていない人の特徴がかなり明確になりました。
車のサブスクリプションが向いている人は以下のような方です。
一方で、あまり向いていない方や購入した方がメリットが多い方は以下のような方です。
自分がどちらに当てはまるかチェックしてみてください。「向いている人」と「向いていない人」については以下の記事で詳しく解説していますので、興味がある方は併せてご覧ください。
>>【なぜ?】車のサブスクはデメリットだらけ? 向いていない人の特徴と向いている人の特徴
この記事が少しでも参考になれば幸いです。