車のサブスク契約は車の購入とは手続きの流れが異なります。
初めて利用する場合は、サブスクで車に乗る場合の仕組みや納車までの流れを知っておきましょう。
この記事では車のサブスクサービスを利用してみたい方に向けて、以下の内容をお伝えします。
最近人気の車のサブスクサービス。新車は半導体不足の影響もあって納車が延び、軽自動車価格も高騰する中で、即納車で月々1万円以下で利用できることに注目が集まっています。
見積もりから契約、納車までの流れを解説し、契約に必要な書類の発行方法もお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
【契約しても即納車は出来ない?車のサブスクサービスの仕組み】
車のサブスクサービスの中には即納車を謳っているところもあります。とにかく至急クルマを手に入れたい方は、どんな仕組みなのか気になりますよね。
・全ての車が即時納車できるわけではない
実は、車のサブスクサービスで即納車できるところはごく一部です。
即納車を謳っている所でも、最短でも4日から14日はかかりますし、基本的には中古車で車種やエリアが限定されます。
自動車ディーラーでは「試乗可能」と書いてありますが、実際に試乗できる車は一部だけですよね。全ての車に乗れるわけではありません。
同様に車のサブスクサービスの即納車サービスも、店舗に在庫があって整備も完了している一部の中古車だけなのです。
では、サブスクで乗る車とディーラーや中古車ショップで買う車にはどんな違いがあるのでしょうか?
・サブスクで乗れる車はどんな車?
サブスクで乗れる車は大きく分けて新車と中古車があります。
新車の場合は、サブスクサービスによって選べる車種が異なります。
多くのサービスでは、国産車の現行車種であればすべて選択可能。一部、輸入車も扱っているサービスがあります。
中には、人気車種だけに限定して品揃えをしているサービスもあります。まずは乗りたい車の取り扱いがあるかどうかで候補を絞るのが良いでしょう。
また、トヨタや日産などのディーラーが運営しているサブスクサービスの場合は、そのディーラーが扱っている車種に限定されます。
新車に乗る場合には、車種やグレード、ディーラーオプションなども選択できます。購入時と同じように、自分の乗りたい仕様にできるのです。
一方、中古車の場合は、その会社に在庫がある車種から選ぶことになります。ディーラーオプションなどを別途つけることはできません。
中古車販売会社は全国各地に支店を持っていることが多いので、他の地域から取り寄せることも可能です。
・ディーラーで買うこととの違いは?
サブスクサービスはディーラーや中古車販売店で購入することと以下の2点が異なります。
- 購入者はあなたではない
- 税金や保険の支払いを代行してくれて、メンテナンス費用もコミコミ
1つ目の違いは「購入者」です。新車を購入する場合にはあなたが購入者になりますが、サブスクサービスの場合はサブスク提供会社が購入者となります。
あなたはその会社が買った車を「貸してもらっている」という状態です。
もう1つの違いは、車を手に入れるだけでなく面倒な手続きや支払いを代行してくれるという点です。
購入者がサブスク会社なので、税金や保険の支払い、点検の義務もサブスク会社側にあります。
あなたは月額利用料を払って車に乗るだけ。面倒な各種支払いはすべてサブスク会社がやってくれます。
・車のサブスクサービスの流れ
サブスクサービスの利用の流れを新車と中古車に分けて解説します。
サブスクサービスで新車を契約する流れ
新車で契約する場合は、サブスクサービスにて車種やグレード、オプションを選択して審査に入ります。
審査に通れば、本契約を締結。そこからサブスクサービスが自動車ディーラー(販売店)に発注を行います。
あなたが契約したのはディーラーではなくサブスクサービス。ここが一般的な車の買い方と異なるポイントです。
サブスクサービスから発注を受けたディーラーはメーカーにて車両を製作。人気車種の場合は納車までに相応の時間がかかります。
その間にサブスクサービスとあなたは必要な書類の受け渡しを行い、納車を待ちます。
出来上がったらあなたに納車日の連絡が行き、納車。これがサブスクサービスでの納車までの流れです。
サブスクサービスで中古車を契約する流れ
一方、軽自動車で契約する場合には、基本的にはサブスク会社が在庫で持っている自動車が対象になります。
そのため、契約時点で車が出来上がっている状態。なので、新車と比べて納車までの期間が短く済みます。
そこから受け渡しのためのメンテナンスが実施され、納車されます。その間、新車購入時と同じように必要な書類の受け渡しが必要です。
車のサブスクサービスを利用する場合の流れはこのようなイメージです。それでは、実際に辿る流れを詳しく解説していきます。
【車のサブスクサービスの見積りから申し込み、契約後の納車までの流れを解説】
車のサブスクサービスを利用した場合の、見積もりから契約、納車までの流れは以下の7ステップで進みます。
それぞれ詳しく解説します。
1、Webサイトから車を選定して見積り
まずは車のサブスクサービスを行なっている会社のWebサイトで、乗りたい車を探します。
国内11社を比較した結果を記事にしていますので、まだどのサービスを利用しようか決まっていない方は以下の記事も参考にしてみてください。
【最新11選】車のサブスクでおすすめのサービスを料金や評判で比較|デメリットも紹介します
車のサブスクサービスは料金や含まれるサービスなどが異なります。そうしたポイントを比較することも重要ですが、まずは乗りたい車があるサービスをピックアップしましょう。
乗りたい車が見つかったら、Webサイト上で見積もりを出すことができます。
- グレードやカラー
- 付けたいメーカーオプション
- メンテナンスサービスの有無
- 頭金やボーナス払いの有無
これらを選択すると、月々の支払い金額が表示されます。
2、仮申し込みと審査
見積もり金額で問題なければ、仮申し込みに移ります。
車のサブスクサービスの場合は長期間のローン支払いになりますので、本格的な審査が必須になります。
そのため、審査前の申し込みは「仮申し込み」という段階になるのです。
審査はWeb上で完結できます。以下の内容を入力して審査を申し込みます。
- 名前
- 年齢
- 連絡先
- 現在の年収(家族含む)
- 職業
- 勤続年数
- 債務状況(借金の有無)
審査は数日で完了し、通過した場合にはサブスクサービスの担当者から直接連絡がきます。
3、担当者と細かい相談や打ち合わせをして本申し込み
審査に通過したら契約を進めていきます。仮申し込みの時点で希望の車種やオプションを選定していましたが、さらに細かい相談や打ち合わせはこの時点でも可能です。
Web申込の時点では選択できなかった分割回数や月間走行距離の制限、任意保険の加入などもこの段階で調整ができるので、気になる点は相談して最適化してもらいましょう。
4、必要書類を記入して送付(本契約)
打ち合わせで申し込みが完了したら、契約に必要な書類が送られてきます。
記入・捺印をして返送します。これらの書類が受理された時点で本契約が完了となります。
5、ディーラーと納車日の打ち合わせ
本契約完了後、サブスク会社からディーラーへ自動車の発注が行われます。納車の準備が整うと、ディーラーから連絡が来ますので、日程を調整して納車日を迎えてください。
6、車庫証明などの必要書類を用意して提出
サブスク契約の書類以外にも、納車日までに用意しておくべき書類が数点あります。
- 有効期限内の免許証
- 住民票
- 印鑑証明書
- 車庫証明書
申請から発行までに一週間ほどかかるものもあるので、早めに用意しておきましょう。これらの取得方法については後述します。
また、車のサブスクサービスの中には任意保険も込みのプランもありますが、任意保険に別途加入が必要な場合もあります。
任意保険についても、納車日までに加入手続きを済ませるようにしましょう。
7、納車&月額利用料金の支払い開始
納車日を迎えたら、車を受け取りに行きましょう。サービスによっては自宅まで納車に来てくれるところもあります。
車両を受け取り次第、サブスクサービスの利用料金が発生します。ここからは料金を支払いつつ、利用していきます。
定期的に法定点検や車検のお知らせが来ますので、指示に従ってメンテナンスを行いましょう。
ちなみに、契約終了後の流れについても簡単に解説しておきます。
利用期間の満了日が近づくと、サブスクサービスから連絡が届きます。車両を返却して解約か、別の車に乗り換えるか、その車をもらうかといった選択肢があるので選びます。
その後は、サブスクサービスの指示に従って、車を返却しにいったり、次の納車を待つという流れになります。
【車庫証明や印鑑証明など車のサブスク契約に必要なものの発行方法】
車のサブスクサービスを契約する際には、契約書類を記入します。しかし、必要な書類はそれだけではありません。
納車までに役所や銀行などに行って用意しなければいけない書類があります。
・納車までに用意しておくべき必要なものは?
車のサブスクサービス契約後に必要な書類は以下の3つです。
- 住民票(役所)
- 印鑑証明書(役所)
- 車庫証明書(警察署)
それぞれ取得方法を解説します。
・住民票の取り方
大前提として、今住んでいる市区町村に住民票があることが必須です。引っ越しした後住民票を移し忘れていたという方は、市区町村役場に行って転居届を出しましょう。
住民票の取得方法は以下の3ステップです。
- 「印鑑」と「身分証明証」を持って市役所や地区の市民センターの窓口に行く
- 発行手数料(1通数百円)を支払う
- 発行される
お住まいの地域によっては、コンビニでの発行や郵送での発行申請もできます。詳しくは各自治体のWebサイトでご確認ください。
住民票は「取得から3ヶ月以内のもの」が有効です。それより前に取得した分が手元にあっても、再取得しなければならないのでご注意ください。
・印鑑証明の取り方
高額な契約を取り行う場合には、役所に届け出されている印鑑を使用する必要があります。
すでに特定の印鑑を役所に届け出している場合には、印鑑登録証を持参の上、役所の窓口にて印鑑証明書の取得申請を行います。発行手数料は1通300円ほどです。
印鑑登録を行なっていない場合は、印鑑登録を行うことになります。印鑑登録も役所にて申請ができます。使用したい印鑑と身分証明証を持って印鑑登録を行いましょう。
印鑑登録書の発行に300円ほどかかります。
印鑑登録は数分で完了します。カードを受け取ったら、それを使って印鑑証明書の発行を行いましょう。その場で発行してもらえます。
・車庫証明書(自動車保管場所証明書)の取り方
車庫証明書とは、自動車の保管場所を証明するためのものです。「保管場所が確保できない場合は車を所有することができない」ということが法律で決まっています。
保管場所が決まっていない状態で車を手に入れてしまうと、みんなが路上駐車をすることになりますよね。それを防ぐために、車庫証明による保管場所の届出が必須になっているのです。
車庫証明の取得方法は以下の4ステップです。
- 駐車場を契約して土地の所有者から「保管場所使用許諾証明書」をもらう
- 警視庁のWebサイト内「保管場所証明申請手続ページ」で必要書類をダウンロード
- 必要書類を持って警察署で車庫証明の申請&手数料支払い(3,500円ほど)
- 後日、警察署にて受け取る
車庫証明の申請に必要な書類は以下の4点です。
- 自動車保管場所証明申請書 1通
- 保管場所標章交付申請書 1通
- 保管場所使用許諾証明書または保管場所使用権原疎明書面(自分で駐車場の土地を持っている場合)
- 所在図及び配置図 1通
「保管場所証明申請手続ページ」にてダウンロード&印刷後、記入をして持っていきます。警察署でもらうこともできます。
車庫証明の申請から取得には一週間ほど時間がかかりますので、早めに取得するようにしましょう。
・任意保険(自動車保険)の入り方
必要な書類は以上の3点ですが、もしサブスクサービスに任意保険が含まれていない場合は、自分で任意保険を選んで加入しなければなりません。
任意保険を提供する会社には、「ソニー損保」や「イーデザイン損保」などがあります。また、サブスクサービスでも提携している保険会社があるので、相談してみても良いでしょう。
任意保険の加入の手順は以下の2ステップです。
- Webサイトから見積もり依頼
- 申し込み&必要書類の提出
申し込みには免許証や印鑑の他に車検証も必要になりますが、納車前の場合は車検証がありません。
それでも、「後ほど提出」という枠組みで契約自体は施行できますので、まずは保険会社を選んで見積もり相談をしてみてください。
【FAQ:車のサブスク契約に関する気になる質問】
最後に、車のサブスク契約に申し込む際の気になる疑問に回答します。
・申し込みから納車までの期間はどれくらいかかる?
サブスクサービスの申し込みから審査完了までの時間は1〜7日ほどです。
審査に通過したら本契約に進みます。本契約後、新車の場合は購入時と同じようにディーラーに発注が行きますので、そこから1〜2ヶ月ほどで納車になります。
人気車種の場合は数ヶ月の納車待ちになる場合もあります。
中古車の場合は、審査後に車両のメンテナンスや取り寄せを行います。一般的には1ヶ月ほどが目安ですが、最短4日や10日で納車できるサービスもあります。
即納車できるサービスは以下の記事で紹介していますので、参考にしてみて下さい。
>>【最新11選】車のサブスクでおすすめのサービスと選び方|コスパ・条件・メリット・評判で比較
・契約時にお金は必要?支払いはいつから発生?
車のサブスクサービスの多くは頭金が不要です。そのため、申し込み時にお金がかかることはありません。
申し込みから納車までの期間もお金はかからず、納車後から支払いが発生します。
ただし、必要書類の取得の際には費用が必要になります。車庫証明で3000円ほど、住民票や印鑑証明書で各数百円ほどがかかります。
・今乗っている車は引き取ってもらえる?
サブスクを契約するにあたって、今乗っている車は買い取ってもらうことができます。買取金額を頭金に充てることもできるので、下取りのようにも利用することも可能です。
・申し込み前に相談できる?
多くのサブスクサービスでは、申し込み前にLINEや電話で相談することができます。詳しくは各サービスのWebサービス上に記載されている「サポート窓口」を参照してください。
・車検切れに納車が間に合わない場合は代車を借りられる?
基本的にはサブスクサービスで納車までの代車を用意してくれることはありません。
車検が切れるタイミングに納車が間に合わない場合、方法は3つです。
1つ目は、車検切れに間に合う車を選ぶというもの。見積もり前に相談することで、車検切れに間に合うように車を手配してもらえます。
2つ目は、車買取サービスの代車サービスを利用するというもの。
車検切れの車は手放す予定ですよね?それであれば、次の車が納車されるまでの代車を貸してくれる買取業者を使うのがおすすめです。
ガリバーやビッグモーターといった中古車買取業者では、代車サービスも用意されています。
車検切れから納車までの間も車を利用できるので、検討してみてはいかがでしょうか。
3つ目の方法は、マンスリーレンタカーを利用するというものです。レンタカーは1日単位で利用するのが一般的ですが、1ヶ月単位で利用できるサービスもあります。
しかし、1ヶ月で10万円以上かかってしまうので、車検のほうが安く済むかもしれません。
車のサブスクは全ての支払いがコミコミ、維持費がかからないのでおすすめです。
総支払額だけを見ると、購入するより割高に感じるかもしれません。ですが、車検や税金、保険の費用も込みだと考えたらお得になる場合も多いです。
Webサイトから気軽に見積もりができるので、気になる車種があれば料金を確認してみてはいかがでしょうか?
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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